『……俊は、"その子"見つけたら、絶対離さないようにしなきゃね』
好きになれたら。
いつか、俺が好きだって思う女の子ができたら。
絶対、あんな悲しい顔はさせたくないと思った。
たくさん楽しませて、笑顔にして、大事にしてあげたいなって。
……思うんだけど、な。
*
「俺の彼女がさあ、お前のことイイとか言ってんだよね。なに人の彼女に手ェ出してんの?」
四月の終わり頃。
その日は、最悪だった。
最近何かと声をかけてくる女子の先輩がいて、先輩だから無下にするのは……と適当に会話していたら。
先輩の彼氏だという三年の男子が、怒り心頭で俺の教室までやってきたのだ。
「……いや、手出してません。話しかけられたから応じただけで……」
「うるせー。話しただけで俺よりお前がイイって思うわけねえだろ!ただ顔が良いだけのガキに俺が負けるわけねえ!」
ええーー……。
確かに顔が良いだけのガキかもしんないけどさ。てか歳は一つしか変わんないだろ。



