「……まあ実際の話さ。さっきの子でダメだったって広まったら、もうお前に挑戦する女子はこの学校じゃ出てこねえんじゃねえかなあ」
サトシが苦笑いしながら言った。
「……それなら、有難いかも。俺も毎回フるのちょっと心痛いし」
そう言いながら、気分は全く晴れなかった。
さっき言われた言葉が引っかかっているんだろう。ホモって……いや、そっちじゃなくて。
『じゃあ、三谷くんはどんな子だったら好きになれるの?』
――そんなの。
出会う前からわかる奴なんて、いるのだろうか。
*
去年の一月、同じクラスの女子に告白された。
普段女子とほとんど話さない俺にしては珍しく、たまに他愛ない話をしたりする程度には関りがあった子だった。
俺はその二か月くらい前に別の女の子に『想像してた人と違った』と、要はつまらないと言われてフラれていたので、この子となら少なくともつまらないと言われることはなく仲良くやれるんじゃないかと思い、付き合うことにした。
昼休みは一緒に過ごしたし、放課後も一緒に帰って家まで送った。休みの日に会いたいと言われれば映画に行ったし、行きたいと言われた場所にはぜんぶ連れていった。



