「……じゃあ、三谷くんはどんな子だったら好きになれるの? ホモなんじゃないの!?」
「…………」
さっきまで涙ぐんでいた女の子はすっかり怒った顔をしていて、くるっと踵を返すと校舎の方へ戻っていく。
ずっと見守っていたのか、友達らしき女子たちが校舎の壁の向こうから出てきて、彼女を追いかけていた。
俺は最後に言われたのが地味にショックでその場から動けなかった。ホモって……。
「プッ……アハハハハ!!」
呆然としていると、俺のうしろから下品な笑い声が聞こえてきた。
「超誤解されてんじゃんお前! この噂が広まれば今後女子から告られることもなくなるんじゃねえ? よかったなあ~!」
「ホ、ホモて……。ホモて……」
失礼な友人たちは物陰から出てくるなり腹を抱えて笑っている。なかでも中学からの仲であるサトシが、俺の肩をぽんと叩いた。



