ーー『俺は佳菜が眩しくて仕方ないよ』
……もしかして私、結構愛されてる?
*
15時からのセイウチのショーは、飼育員さんと登場したセイウチの女の子がめちゃくちゃ芸達者で面白かった。
拍手したり腹筋したり口笛吹いたり投げキッスしたりお辞儀したり……。
これ中に人が入ってない?ってくらい色んなことしてくれて、可愛かったしたくさん笑った。
そのあとはトドやアザラシ、ペンギンが見れる海獣ゾーンに行ったり、エイやヒトデに触れるタッチコーナーに行ったり。
水族館を十分に満喫して、今は大きなサメがいるでっかい水槽の前にいる。
「うわー、サメだーー」
恐ろしい海の生き物代表みたいなやつが、目の前を泳いでいる。
「今この水槽が割れたらどうなるかなあ。私ら食べられるかなあ」
私がボケーっとサメを見ている横で、俊くんは「食べられるかもねー」と若干適当にも思える返事をして腕時計を見た。
くそう。俊くん、私のこと軽くあしらうようになってきたな。慣れてきたってことでいい傾向だけども!



