俊くんが髪を拭いている間、なんとなく彼のチャックが開いたままのボディバッグが目に入った。
その中には、なにやらレジャーシートとか絆創膏とか消毒液とかが入っていた。……えっ?
私が頭に大量のハテナマークを浮かべている間に、彼がタオルをバッグをしまった。一体その小さなバッグにどうやって収まってんだ。
「……佳菜。このあと、どうする?まだ館内見る?」
「あ、うん。そうだね!あっ、でもその前にお手洗い行ってもいい?」
「あ、うん。わかった」
「ごめんね、ちょっと待っててね」
屋外にある近くの手洗い場に向かう。
お手洗いはお昼を食べた時に一度行ったから本当は用はないんだけど、さっきの水飛沫でメイクが落ちていないかを確認したかったんだ。
今朝、必死に頑張ったメイクが崩れていたら悲しい。パパッとメイクを直してから、よし、と気合を入れ直した。



