彼氏の好きなヒトになる方法



「わっ、冷た!」


私たちの周りの人たちもきゃあきゃあ騒いでいる。でも楽しそうだ。水族館だもんね。


その後、たくさんの拍手に包まれ、イルカショーは終わった。



「あはは。結構激しかったねえ」



会場から出て俊くんに話しかけると、彼は何やらボディバッグから何かを取り出そうとしていた。



「使う?」



なんとタオルが出てきた。しかも結構しっかりしたやつ。


俊くんのその小さなバッグにタオルが入っていたなんて思わなかった。4次元バッグか。



「……あ、ありがとう……」



私もハンカチくらいは持ってるけど。


せっかく出してもらったので、使わせてもらうことにする。


首元と髪の毛にかかった水滴をぽんぽんと拭き取って、俊くんに渡した。


彼の髪は私よりも濡れていた。でもなんか格好いい。水も滴るなんちゃら的なやつだ。これだから美形は。