何か考え事をしているのはわかる。
そして、俊くんはなにかを考えている間、同時におしゃべりができない人だっていうことも知っている。
いいんだ、全然。考えることも話すことも、彼はそれぞれを真剣に取り組んでくれるから。適当に両立されるより誠実でいいと思う。
……でもこの状況で、そんなに深く考えるようなこと、ある……?
さっきの話について?
そんなに気にしなくていいよって言ったけど、俊くん的には重要な問題なのかな。
でもさ俊くん。今はたぶん私と目を合わせたり、ニコニコし合ったり、お話しする時間だと思うんだ。
いくら恋愛経験ない私でも、さすがにわかるよ。
「………………」
私がジュースを飲んで、テーブルにコト、と置いた。
その音で、俊くんが思考の海から顔をあげた。
またハッとした顔で、私を見つめる。
やっとこっち向いた、と思ったけど、彼の表情に驚いた。
……なんか、焦った顔してる。相変わらずわかりにくいけど。あ、今度はまた申し訳なさそうな顔……。



