早くもお腹が鳴りそうになっていると、コーナーの中心に大きな筒型の水槽が置かれているのに気づいた。
「……わあ。クラゲだあ」
ふわふわ、ゆらゆら。
柔らかい半透明の生き物が、ゆっくりと色が変わっていくライトに照らされて不思議な魅力を放っていた。
「かわいい〜……」
なんて優雅なんだろう。妖精みたいだ。
惚けて眺めていたら、隣に俊くんが立ったのがわかった。
「……うん。かわいーね」
ふいに横をちらりと見ると、俊くんがこっちを見ていて、ばちりと目があった。
彼の表情はいつも通りのクールなもので、感情のわかりにくいものだったけど、細められた目はやっぱり優しかった。
…………かわいい、て。クラゲのこと、だよね……?
そう思うのに、かあ、と顔が熱くなった。
それを見て俊くんは少し目を見開くと、慌てたように水槽の方に視線を移した。



