「でかーー!!」
思わずテンションが上がって駆け出そうとしたけど、直感で動く私と違って微動だにしない俊くんの手に引っ張られ、動けなかった。
「ねね、近くで見よう」
手をぐいぐい引っ張りながら上目で見つめると、彼は少しの間の後、私を見つめる目をゆっくりと細めた。
「……うん」
……ふと、思った。
いつからこの人は、こんな目をして私を見つめるようになったんだろうって。
俊くんは言葉も表情の変化も少なくて、感情がわかりにくい。
だからこそ、彼の瞳の些細な変化が目立つんだろう。
目は口ほどに物を言うって、本当だなあと思った。
この目で見つめられると、私は胸がぎゅうぎゅう痛む。
好きな人のことが好きすぎて、色んな感情が身体中を暴れ回る。
どんな顔をしていいかわからなくて、私は困った。
水槽の方を向いて彼の手を引っ張りながら、その目の前まで歩く。
薄暗い館内に、光る水槽が浮かび上がって見えた。
色とりどりの魚が泳ぎ、キラキラしていて、宝石箱みたいだ。



