俊くんという美形は国の宝だけど、一応彼は私の彼氏なのだ。
私の知らないところで他の女に囲まれ熱視線を浴びているというのは少々許し難い。俊くんの学校ではもう仕方ないけど。
私が密かに嫉妬の炎を燃やしている横で、俊くんは受付のお姉さんにチケットを渡しながら困った顔をした。
「去年ヒマだったからバイト始めたけど……。来年は受験だしやめようと思ってたのに、少しでいいから卒業まで続けてくれって言われててさ」
あー……。まあ、そうだよね。こんな居るだけで客寄せになるイケメンウェイター、逃したくないに決まってる。
「実は他にも映画の前売り券とか旅行券とか渡されそうになってんだよね……彼女と行けって」
「うわあ、それワイロじゃん」
「そう。断ってるけど」
「えー、そっかあ……。私だったら、もらえるもんはもらっときたいけどなあ。旅行はともかく、映画ならすぐ行けるのに」
そしたらまた俊くんがデートに誘ってくれるかもしれないのに。
あ、もしかして私とは映画行きたくない?
私がじっと見上げると、俊くんは言いにくそうに目をそらした。



