「だから俺と付き合って」
思わず私は立ち止まった。
隼は特に笑いもせず、緊張した風でもなく、『今日どっか遊びに行こ』って誘うときと同じ調子でそう言った。
私はなんだか自分が情けなくなった。
隼はきっと、なかなか切り出せない私のために、改めて言ってくれたんだろう。
私が返す言葉を、わかった上で。
「……ごめん」
沈んだ声でそう言ったら、隼はフッと笑って私の頭を雑に撫でた。
「らしくねー顔すんな」
「……………」
じゃあ、どんな顔すんのさ。笑えるわけないじゃんよ。
隼が歩き出したから、私も続いた。
「佳菜には俺の合ってると思うけどなあ」
伸びをしながら隼が言った。
土日の間、ずっとそのことを考えていたけれど、私の結論は変わらなかった。
『合ってる』とか『楽しい』とか、とりあえずそこらへんは置いといて。
私が特別な意味で『好き』だって思うのは、俊くんなんだよ。



