晃や璃子がどうしたんだという顔をして私を見ている。マナミだけが落ち着いた表情をしていた。
「……きょ、今日、さ」
「一緒に帰るか」
いつのまにか、隼はいつも通りの顔をしていて、まっすぐに私を見ていた。
ううん、いつもよりずっと優しくて、少しだけ硬い表情。
隼はこれから私が何を話そうとしているのかわかっているのだろう。
言おうとしていることを先に言われてしまって、驚きより先に、なんだか泣きそうになった。
それを必死にこらえて、「うん」と返事をする。
視界の端で、状況についていけない晃と璃子が「えっ?」と目をパチパチさせているのを、マナミと学が「あたしたちで一緒に帰りましょうね」となだめて教室の外に連れて行ってくれているのが見えた。
隼はその様子を確認して、私に視線を戻した。
「……のんびり帰ろーや」
「……うん」
私たちはゆっくりと昇降口へ向かって歩き出した。
*
教室を出てから校門を通った今まで、無言だ。ちょっと沈黙が辛い。
こいつと2人で帰ることって別に初めてじゃないはずなのに、なぜか緊張した。



