俊くんは私の『特別』で、すごく大事。
でも、私は欲張りだから、大事にしたいものがたくさんある。だから、
「………話さなきゃ」
私の大切な友達と。
*
学校が終わって、クラスメイトたちがぞろぞろと教室を出て行く。
「佳菜、帰ろー」
自分の席の前に立ってそわそわしていたら、璃子とマナミがいつも通り声をかけてくれた。
「……あ、ごめん、今日は……」
「隼ぉー、今日俺んち寄ってく?」
周りがざわざわと騒がしい中、無駄にでかい晃の声が一際大きく聞こえてきた。
……あ。
「は、隼!」
焦って名前を呼ぶと、前の方の席に座っている隼が驚いた顔をして振り返った。
「……あ、あの」
何故だか緊張してきて、声がふるえる。
こんなの私たちにとってはなんでもないことのはずなのに、隼の顔を見ると上手く言い出せなかった。



