彼氏の好きなヒトになる方法



戦慄していると、マナミはニヤニヤしながら「あんたの反応見れば大体わかるわよ」と言った。



「隼の気持ちも、佳菜の気持ちも。見てたらわかるわ。わかりやすいもの、あんたたちどっちも」



マナミの綺麗な形の唇が、柔らかく孤を描く。長い睫毛に覆われた目は、席について晃と話している隼へ向けられていた。


「……知ってたの?」

「まあね」

「……………」


そうなのか。


じゃあ、やっぱり隼は私のことが好きなのか。


どれほど本気かわからないけど、マナミが気づく程度にはそういう気持ちがあったってことなのか。


「そう、なんだ」

「……あたしはあくまで傍観者だから。どうするかはあんたが決めることよ。あたしはどっちの味方でもないわ」

「……うん」


私は今まで隼の気持ちに気づかなかった。


だから仕方のないことではあるんだけど、私は今まで何度彼のことを傷つけたのだろう。


思い当たる節がありすぎて、少し落ち込んだ。







なんだか、ひとりになりたい気分だった。


マナミや璃子と話そうと思っても、なんだかいつもみたいにテンションが上がらないし。