戦慄していると、マナミはニヤニヤしながら「あんたの反応見れば大体わかるわよ」と言った。
「隼の気持ちも、佳菜の気持ちも。見てたらわかるわ。わかりやすいもの、あんたたちどっちも」
マナミの綺麗な形の唇が、柔らかく孤を描く。長い睫毛に覆われた目は、席について晃と話している隼へ向けられていた。
「……知ってたの?」
「まあね」
「……………」
そうなのか。
じゃあ、やっぱり隼は私のことが好きなのか。
どれほど本気かわからないけど、マナミが気づく程度にはそういう気持ちがあったってことなのか。
「そう、なんだ」
「……あたしはあくまで傍観者だから。どうするかはあんたが決めることよ。あたしはどっちの味方でもないわ」
「……うん」
私は今まで隼の気持ちに気づかなかった。
だから仕方のないことではあるんだけど、私は今まで何度彼のことを傷つけたのだろう。
思い当たる節がありすぎて、少し落ち込んだ。
*
なんだか、ひとりになりたい気分だった。
マナミや璃子と話そうと思っても、なんだかいつもみたいにテンションが上がらないし。



