瞬間、目が合った。
相変わらず、一文字に引き結ばれた口元。一見いつもの無表情に見えるけど。
ただ、いつも落ち着いた声で「こんにちは」って言ってくれる、あの穏やかな目ではなくて。
傷ついたような、怒ったような、焦ったような……そんな目で、彼は私をまっすぐに見ていた。
「しゅんくん」
私と目を合わせた数秒後、俊くんはふいっと私から顔を背けた。
そして、そのまま校門を離れ、通りへ消えていく。
「ちょ……待って!」
なんでいるの?とか、なんで毎回連絡なしなの?とか、色々聞きたいことがよぎったけど、今はそれよりさっきの彼の顔が頭から離れなかった。
急いで彼を追いかける。駆け寄ってもう一度「俊くん」と名前を呼んだ。



