「……なんだよ…… 」
そんな顔せんでもいいでしょーよ。
私も唇を尖らせて、顎を机の上に置く。わかりやすく不満げな顔をしている私に、璃子が不思議そうに聞いてきた。
「えー。佳菜、ダーリンに何か言われたん?」
「言われたっていうか……ヤキモチやかれたから」
「えー!あの三谷くんが!?かーわーいーいー!」
そう。可愛いんだよ。
でも怒るとちょっと怖いことも、言葉を選んでる余裕が無くなって、少し荒っぽい言葉遣いになっちゃうのも知ってる。
そういう俊くんも好きだけど、何度もそんな風にさせちゃうのは悪いから。ちょっとは気をつけようかなって。
「……思うんだけどなあ……」
なんか隼は変な顔するし。
昨日は俊くん、不機嫌になるし。難しいなあ。
『はは。どうよ?佳菜ちゃん。俊がいつか"俺以外の男と喋るな"とか言い出したら』
『……ちょっと困る、かなあ』
彼氏がいるからって、窮屈にはなりたくない。だから正直に『困る』って言ったんだけど……。



