「……べつにぃー」
「また彼氏と喧嘩か?」
「またじゃないし。喧嘩じゃないし」
「あ、そのオレンジジュース一口もらってい?」
「あ?……あー、はいはいどーぞ」
買っていた紙パックのオレンジジュースを差し出す。
隼が受け取る……直前に、ハッとした。
「……や、やっぱりダメ」
「はあ?」
「ご、ごめん!でもダメ」
こういうところだ!私のダメなところ。きっとそうだ!
俊くんに妬いてもらうのは嬉しいけど、私に改善の兆しが見えないといつか愛想をつかされてしまうだろう。
「はー?なんだよ急に」
「わ、私、口つけちゃってるし……」
「今更すぎだろ……。お前、そーゆーの気にしないじゃん」
「い、今は彼氏いるし!私もちょっとは気にするようになったの!」
そう言うと、隼は心底驚いたというように目を見開いた。
それから一瞬だけムッとした顔をして、「結局また彼氏かよ」とつまらなそうに唇を尖らせて去っていった。



