まあ、相手が嫉妬したところを見るのが好きって気持ちはわかる。
俊くんが妬いたり拗ねたりする姿は本当に可愛いもん。照れた顔はもっと好き。
瀬戸先輩はその愛を変に拗らせちゃったんだなーと思いながら、買ってもらった新作のアイスラテをストローでちゅーと飲んだ。
「佳菜ちゃん、それ美味しい?」
「美味しいですよー。キャラメルの味がしてすごい甘いです」
「ちょっと甘いの飲みたい。一口ちょーだい」
「どーぞー」
先輩、コーヒーブラックで飲んでたもんなあと思いながら、ラテを差し出す。
それはそのまま先輩の手にーー渡る前に、横から出てきた手にひょいっと奪われた。
「駄目」
驚いて見ると、ラテは頬杖をついたままの俊くんの手の中にあった。
「……えっ。あ、俊くんも飲みたかった?」
「違うよ」
じゃあなんだ、と思ったら、先輩がわかりやすくニヤニヤしながら俊くんを見ていた。



