「いい?連絡先くらいは交換しなさいよ。次会う約束も取り付けてきたら完璧」
彼女は私だけに聞こえるくらいの小さな音量で囁いた。突然出現するマナミ様こわい。
思わず口をぱくぱくさせるけれど、声が出ない私を見て、マナミはふふんと口角を上げた。
そして華麗に踵を返すと、「じゃあね佳菜、俊くん」と言って再び手を振ってきた。
「俊、佳菜ちゃんと仲良くやれよ〜」
「……ちょ、ふたりとも……っ」
私の制止の声をガン無視して、マナミとサトシくんはささっと駅から出ていった。
追いかけようにも、すぐ近くにいる三谷くんが全く焦った様子なく動こうともしないので、どうすることもできなかった。
「……………………」
しーん。
その場に沈黙が落ちる。
やむを得ず、自分の中のなけなしのコミュ力を総動員して、三谷くんに話しかけることにした。
ええい、泣き顔見られたことなんか、気にするな!



