「……ご、ごめんなさい……」
「謝ってほしいんじゃない。なんでふたりでいるのか聞いてる」
「……え、っと」
「俺が無理やりふたりきりにしたんだよ。だから佳菜ちゃん怒るのはやめろ」
先輩が口を挟むと、俊くんは舌打ちでもしそうな顔をして視線を先輩へ戻した。怒ってる俊くん怖っ!
「……なんでそんなことするわけ?」
「佳菜ちゃんと色々話したかったから。あと、写真送りつけたら俊がどういう反応するかなーと思って」
先輩は余裕の笑みを崩さず、俊くんの質問に答える。
せ、瀬戸先輩はやっぱり瀬戸先輩だった……。一瞬でも、いとこ思いのいいひとだと思ったのに。
でも、なんてメッセージを送ったのかはわからないけど、あの写真を見て俊くんは来てくれたんだ。
しかも走って。こんなに怒って。
……なんで……?
俊くんは先輩の言葉に、はあ、と大きなため息をついた。
そして、再び私を見つめた。
その目はやっぱりいつもの俊くんとは違って余裕がなくて、不謹慎だけどキュンとした。



