彼氏の好きなヒトになる方法



だけど余裕がないときは、深く考えずに言葉を発しちゃう。珍しく表情が動く。焦ってるときが可愛い。


褒めるときは惜しみなく褒めてくれる。裏表がなくって、正直者。だから信頼できる。



『佳菜といると色んなものが面白いって思う。だから、佳菜は俺にとって『面白い』よ』



彼は完璧じゃない。



不器用だけど一生懸命な、普通の男の子。



そういうとこが好き。そういうとこも好き。



……好き。なの、私だけ?




「……不安になったりする?」



潤んだ瞳のままクレープを食べていたら、先輩がそう尋ねてきた。


「さっきも言ったけどさ、俊って淡白なんだよね。恋愛事も、他の事も。あいつは純粋で綺麗だけど、それだけなんだよ」


……ああ、わかる気がする。



俊くんは綺麗だ。



何色にも染まってない、真っ白な画用紙みたい。


だから、私が教えた『楽しいこと』をそのまんま素直に受け止めてくれる。


……純粋すぎて、まっさらすぎて、不安になるくらい。