「へー、そうだったんだ。俺のため?カワイイなあー」
ニコニコしながら頭を撫でられて、かあっと顔が熱くなった。
『可愛い』とか、瀬戸先輩は言い慣れてるってわかってるけど。
この人のために頑張ってた一年前の自分が、こんな形でもようやく報われた気がした。
……あ、また泣きそう。
「俊は?このこと知ってんの?」
「知ってます。大体話してるんで」
「ふーん。俊なあ……あいつ、俺でも何考えてんのかよくわかんないんだよね」
先輩はクレープを食べながら苦笑いした。
いとこである先輩でも、やっぱり俊くんのことを理解するのは難しいんだな。
いっつも無表情だし。言葉少ないし。反応遅いし。最近わかってきたけど結構ネガティブだし。
ハッキリ言ってわかりにくい。面倒くさい。
でも、ちゃんと時間をかけて言葉を選んでくれる。
私が傷つかないように。誤解しないように。



