「佳菜ちゃんはさあ、俺のこと好きだったとき、なんで俺に話しかけてくんなかったの?」
突然そんなことを尋ねられて、目を見開いた。驚いて涙止まった。
「……うえ、な、な、なんでそんなこと聞くんですか」
「んー。単純に疑問なんだよ。佳菜ちゃん、今普通に俺と話してるでしょ?なのになんで今まで話しかけてくんなかったのかなーって」
先輩は私の方を見ずに、公園を眺めながらそう言った。
彼の横顔は、本当にいつも通りだ。私だけ狼狽えているのが恥ずかしくなってきた。
「……別に……ただ単に、勇気がなかっただけです。自分に自信がなくて」
「へー。自信ないの?意外だね」
「……私、今は見た目ギャルで軽そうだと思いますけど、高校入るまではこんなんじゃなかったんですよ。先輩の周りにいる女の子はみんな派手だったから……見た目だけでもって頑張った結果です」
なんでこんなこと、本人に言わなきゃいけないんだ……。
恥ずかしいとかそういうの通り越して、もうどうにでもなれという気持ちで話した。



