先輩は隼の言葉に意外そうな顔をしたあと、すぐにフッと笑った。
「りょーかい」
それだけ返事をして、先輩は去っていった。
「……え、隼?アンタも行くの!?」
驚いて尋ねると、同時に始業のチャイムが鳴った。隼は面倒臭そうに私を見た。
「そーだよ。悪いかよ」
「いや、悪いとかじゃなくて……そんなに彼女欲しかったの?」
「は?ちが………いや、もーいいわ。理由とかどうでもいいだろ、とにかく行くんだよ。早く自分の席戻れ」
ええええ……?
状況についていけない私を他所に、璃子と晃は浮かれてて、隼はなんか不機嫌で。
唯一、マナミと学は優雅に私たちのやり取りを眺めていた。勝者の余裕である。おかしい。本来なら私もそこにいるはずなのに!



