「え……り、璃子ですけど」
「璃子ちゃんね。璃子ちゃん、今彼氏いる?」
「いないです」
「俺の友達何人か連れてくからさ。一緒に遊ぼーよ」
『俺の友達』というワードに、璃子の目の色が変わった。
瀬戸先輩の言う『俺の友達』とは、私たちからすればイコール『イケメンの先輩』である。
イケメン大好きミーハー女の璃子は、即答で「行きます!」と言った。えーー!?
「おい、お前だけずりーぞ!」
次に声をあげたのは晃である。
晃は私に彼氏ができた時も文句を言っていたから、たぶん璃子に彼氏ができるかもと気付いて焦ってるんだと思うけど……。
そんなこと言ったら、さらににっこり笑うのが瀬戸先輩だ。
「そこの男子、君も今フリーなの?」
「え、あ、まあ……」
「俺の友達、可愛い女子もいっぱいいるからさ。連れてこうか?」
「えっ。マジすか」
晃が目を輝かせた。だめだこりゃ!



