「それは一ヶ月前までの話ですよ。女ってすぐ好きな男変わる生き物なんで、一ヶ月前とは全然違う女になってます。勘違いしない方がいいっすよ」
「……ふーん。確かにね」
たぶん、隼は暗に『今の私は、一ヶ月前の瀬戸先輩が好きだった頃の私とは違う』ってことを言ってくれてるんだと思うけど。
……なんか余計な言葉多いな、オイ。
なんだか複雑な気分になっていると、うーんと何かを考えていた先輩が、何かを閃いたのか「あ!」と声をあげた。
「じゃあさ、みんなで出かけようか?」
……えっ?
私と隼が目を瞬かせていると、先輩は言うが早いか、私たちの教室の中へ向かって声をかけた。
「そこのさー、佳菜ちゃんの友達の子!今日の放課後、俺らと遊ばない?」
「!?」
びっくりして教室の方へ戻る。声をかけられた璃子たちは、戸惑った顔をしていた。
「ちょ、ちょっと瀬戸先輩……っ?」
「そこの女の子。君、名前なんていうの?」
いきなり何言い出すんだと抗議する私を無視して、先輩は璃子に話しかけた。



