「学が冷たい!」
「今、佳菜は傷心中なのよ。そっとしといてあげなさいよ」
「そーだよー晃ぁ。自分がこないだ女の子と喧嘩して、平手打ち食らったからってさぁ」
「璃子はなんでそれ知ってんだよ!」
「女子の情報網ナメちゃいけないよ?」
気づけば、いつものように騒がしくなっていた。おかしい。私を慰めてあげようの会だったんじゃないのか。
「……他校のイケメンと会うって?」
ワイワイと盛り上がっているのを横目に窓の外を見ていたら、隼が私の横に立って尋ねてきた。
その話題、結局蒸し返すんかい。
「……聞いてたの」
「聞こえたの。で、どうすんの」
「べつにどっちでもいいでしょ。アンタらにカンケーない」
イケメンと会っても会わなくても、コイツらはからかってくるだろう。



