彼氏の好きなヒトになる方法



らしくなく視線を下に彷徨わせて、不意にちらりと彼を見ると、すごく自然に、ふわりと微笑まれた。


「!」


ドキッとして、口をパクパクさせる。


気のせいかってくらい一瞬だったけど、たぶんそう。絶対そう。今、私を見つめて笑った。


「……………え、っと」


頭の中が俊くんでいっぱいになって、声が出なかった。そんな私を、彼は不思議そうに見つめてくる。



……ああ、なんか、あんまり認めたくないけど。


私、俊くんに振り回されてる。



私ばっかり、好きになってく。







本屋を出て、街の大通りに出た。


少しの間様子のおかしかった私だけど、なんとか落ち着きを取り戻した。