「ちょっとうるさいんだけど、そこ」
「あーあー荒れてんなぁ、佳菜。いつもより二割増しでブッサイクな顔してんぞ」
いちばんのチャラ男である晃が、悪人顔のニヤニヤ顔で腹立つ事を言ってくる。
ムカつくけど、さっきまでちょっと重たくなっていた心が軽くなった。悔しい。
「……自分だって彼女出来ないくせに」
「俺はぁ〜、出来ないんじゃなくて作らないんですぅ〜」
「遊んでばかりで本命に選ばれない男の言い訳だな」
黒縁メガネをくいと上げて、学が的確なツッコミを入れてくれた。ナイスだ。
こいつは他クラスに彼女がいるので、マナミと同じく私たちのグループ内の勝ち組だったりする。



