彼氏の好きなヒトになる方法



「俊くんといるの、私は楽しかったよ。つまんないとか思ったことない。そりゃ、昨日話を聞いた時は、俊くんにとって私はそういう存在だったんだなってショックだったけど……。……ねえ、もっかい聞いていい?なんで俊くんは、追いかけてきてくれたの?」



彼の目が、驚いたように見開かれる。


まっすぐに見つめて尋ねると、俊くんは私と目を合わせたまま、黙った。


「………………」


再び目線を下にして、いつもの熟考タイムに入る。


私は手のひらをぎゅっと握りしめて、彼の答えを待った。


やがて俊くんは顔をあげて、口を開いた。




「……俺は、佳菜といる時間、すごい気に入ってる」




突然のブローに私の心臓が飛び跳ねた。『気に入ってる』って言葉使うのはズルい!


嬉しさで身悶えそうになりながら、「うん」と相槌を打った。


俊くんはどこかまだ考えがまとまってない顔のまま、話し続けた。