同時に、他クラスの知り合いの男どもから、冷やかしの声が飛んでくる。
「ヒュー、佳菜、やるぅー」
「アっツイなー、うらやましー」
「うるっさい!見んな!はやく帰れ!」
「おー、こわこわ。男つくっても、佳菜は佳菜だな〜」
どう言う意味だよ!
でもよく考えたら、すごいセリフを吐いたなと今更思えてきて、一気に顔が熱くなってきた。
俊くんが驚いた顔のまま言葉を失っているので、この隙にさっさと逃げ帰ろう。
「……そういうことだから!そんなに別れたいんなら、もうちょっと私が納得できる話を持ってきてよね。考えたらまた連絡して!」
そう言い残して、私は駅とは反対の家の方角へ走った。
……言っちゃった!
言っちゃった!
『好き』って言っちゃった……!
涙でメイクが落ちてるだろうボロボロの顔で、乙女みたいにきゃーっと叫びだしたくなった。
もうどうなったっていい。どんな返事が来てもいい。
とりあえず、言うだけ言った!すごい怒っちゃったし、可愛くないことばっか言ったけど!
でも、ちゃんと気持ちは伝えた!
これでしばらくは落ち着ける。俊くんからの連絡を待つだけだ、と思ったら。



