彼氏の好きなヒトになる方法





「……俊くんは、それでいいんだ?」



声が震えた。


泣きそうだからか、怒っているからかは、わからない。


俊くんが今度こそハッとした顔をして、私の方を見た。


「わざわざうちの学校まで来て、謝って、私の気持ちだけ聞いて、結局するのは別れ話?」


それなら、月曜日でもよかったじゃん。


私だって、もっと言いたいことあったはずなのに。


悲しくって、そればっかりで、言いたいこととは正反対の、可愛くないことばかりが口から出てくる。



「……佳菜」

「そんなんで納得できるか!私が無理って言ったら、じゃあ別れましょうって言えるほど薄っぺらい関係だったんだ?結局俊くんは、私と別れようがどうでもいいんだね!」



勢いでまくし立てたら、俊くんが驚いた顔をして黙った。


ボロボロ出てくる涙とか、なんだなんだと見てくる下校途中の生徒の視線とか、ぜんぶ構わずに私は叫んだ。




「私は別れたくないよ。好きだもん!」




俊くんは、見たことないくらい目を見開いた。