「……嫌には、なってないよ。ただ、このまんま付き合い続けるのは、ちょっとキツいかな」
好きになっちゃったから。
このまま、俊くんの『女避け』のための彼女をするのは嫌だ。
俊くんは私の言葉を聞いて、下を向いたまま、ほんの少し目を見開いた。
そして、小さな声で「そっか」と言った。
「……じゃあ、別れる?」
………え。
『別れる』?
一気に話が飛んだように思えて混乱した。
だけど、彼にとっては『このまま付き合い続けるのは嫌』だと言う女の子と、無理に付き合い続けるメリットはないのだろう。
私が、これ以上彼と付き合えない。
それは、イコール別れるってことになるんだ。
私たちの関係に、俊くん自身の気持ちはどこにも存在しないんだ。



