「……な、なまえは」
「三谷 俊(みたに しゅん)くん」
「他校って、どこなの」
「青柳高校」
青柳(あおやなぎ)っていったら、近くの私立校だ。ウチの高校より2ランクくらい上の偏差値の高校。
「ふ、ふーん……」
いけめん。しかもそこそこあたまいいいけめん。
「どう?会ってみない?」
「……………」
『イケメン』。
その四文字が、私の好奇心を刺激する。
気晴らしに、会ってみるだけなら。
とか、考えてみる。
私なんかの写真を見て、相手の人が会いたいと思ってくれた理由はわからないけど。
……でも、いいのかな。
仮にも彼女が欲しいと言ってる人に対して、こんないい加減な気持ちで行って。
先輩への気持ちが、まだ残ってるはずなのに。
ぐるぐると考えていたら、璃子が不意に窓の外を見て、「あ、瀬戸先輩」と呟いた。



