「佳菜なら今日ガラ空きだよ〜」
「遠慮なく連れて行ってくれて大丈夫よ」
私があたふたしてたら、まさかの裏切り!
「え!?ちょっと、おふたりさん!」
「ファイト〜、佳菜。なんとかなるなる!」
「これも運命なのよ。覚悟決めなさい」
無責任なエールを残して、ふたりはさっさと帰って行ってしまった。おーい!
「……ごめん。ホントに大丈夫だった?」
「………あ、うん……別に、用事はなかったんだけど」
今日、できれば会いたくなかっただけで。
「………………」
「………………」
その場に、気まずい沈黙が落ちる。
突然校門前に降臨した他校の神級イケメンは、下校している女子生徒からたくさんの視線を浴びていた。
ついでに、そのイケメンと対面している私も注目されている。
「……えっと……その、昨日は、帰っちゃってごめん」
いつまでも黙っているわけにはいかないので、とりあえず謝った。
ただ、この先何を言うのか、全く決まっていない。だって土日にじっくり考えようと思ってたんだもん!



