「あら。やっぱり駅に行くの?今日」
「いや……だ、大丈夫なはず。うん、帰るよ!帰ろ!」
「ホントに大丈夫〜〜?」
「大丈夫!」
自分に言い聞かせて、教室を出た。
廊下を歩いていると、前の方に晃たちが歩いているのが見えた。
私たちに気づいた晃が振り返って、声をかけてくる。
「あ。今日さ〜、俺ら駅の方行って遊ぼうと思ってんだけど、お前ら来る?」
「……あ、いや〜、今日は……」
俊くんがいるかもしれない、んだよな。
ちら、とふたりを見ると、私の言わんとしていることがわかっているのか、うんうんと頷き返された。
そして、璃子が代表して返事をしてくれる。
「今日は女子会するから、パス〜〜!」
「りょーかーい」
晃がじゃーね、と手を振ってくる。
すると、黙っていた隼がちらりとこっちへ振り返ってきた。
「……………」
何か言いたげな目でこっちを、というか私を見てくるので、『何?』と口パクで言って首をかしげてみる。
隼は眉を寄せて、気まずそうな顔をした後、『なんでもない』と口を動かして、結局また前を向いた。



