彼氏の好きなヒトになる方法



「……………」


私は数秒の沈黙のあと、なんとか口を開いた。


「い、イケメンって言っても……写真がなきゃわからん。写真くれ」

「あたしもそう思ってサトシに言ったんだけど、写真撮られるのがあまり好きじゃない人みたいで、写真はないって言うのよ」


こっちには写真送らせといて、そっちはないんかい!


私がムッとした顔をすると、すかさずマナミが「でもね」と言った。


「サトシ、『イケメンだと思わなかったら俺のこと殴っていいよ』とまで言ってたから、そこそこカッコイイのは間違いなさそうよ」

「ほー、すごい自信」


璃子が感心したような顔をする。


確かに『殴っていいよ』はスゴイ。冗談でもこのマナミに言えるのがスゴイ。


マナミという女は、こう見えてバイオレンスな美人だ。男の頬を平手打ちとか、本気でやりかねないのだ。


その『サトシ』くんとやらは、己の友達によほど自信があるらしい。