「はよー、マナミ」

「おはよう、晃」


机にうつぶせていたら、近くから晃の声が聞こえてきた。


「あれ、佳菜と璃子は?」

「璃子はまだ来てないわ。佳菜は、ホラ」

「え?」


たぶんこっちを指差したんだろうと思い、仕方なく顔を上げる。


案の定、マナミは私の方を指していて、晃と目があった。瞬間、驚いた顔をされる。



「誰だお前!!」

「ああ!?」



思わずヤンキーみたいな声が出た。『誰だお前』って失礼だな!


「佳菜だよ!!」

「いや、え?マジ?なんかよわそう」

「よわそう!?」

「なに、清楚系にシフトチェンジすんの?やめとけやめとけ、お前は隠しきれないゴリラ感が内面から滲み出てんだって……」

「クッッソムカつく黙れ晃ァーー!!」


晃の胸ぐらに掴みかかっていると、近くから「おはよぉ〜」と眠そうな璃子の声が聞こえてきた。