マナミは「勝手に送ったのは悪かったわ」と、特に悪いと思ってなさそうな顔して謝ってきた。
「でも失恋の痛手を癒すのは、やっぱり新しい恋だと思うの。喜びなさい、顔はフツーにイケメンらしいから」
「……まさかマナミ、先輩に彼女出来てたの、前から知ってた?」
「さあ、どーでしょう」
ニヤリと笑ってはぐらかしてくる。くそう、美人はそういう顔がサマになるからムカつく!
「ったくもう、だからってねえ…….」
「イケメンよ、佳菜。イケメンがあんたに会いたいって言ってんのよ」
「やーん、いいなあ佳菜!なんでウチの写真は送ってくれなかったの、マナミ〜」
「ごめんなさいね。今回は失恋したての佳菜をなぐさめるためだと思って、許して」
「しょーがないなぁー」
私を抜きに、なにやら盛り上がっている。
私はというと、イケメンという言葉に浅ましい心がぐらぐら揺れていた。
ちょっと今は昨日のこともあって、イケメンというものに弱くなっているみたいだ。
いけめんのかれしほしい。ふつうにほしい。
正直な欲望が頭の中をぐるぐる回る。



