「やだ……立てない……」

今の時間は明け方の2:30分。

誰も見当たらない所から南は絶望を感じた。

ナイフを持った男はじりじりと近づいてくる。

「相馬……!」

泣きそうな顔で呼ばれた方を振り返ると……。

「かっ……神居さん……。助けて……。」

南の声は震えていた。

その瞬間、南は男に引っ張られて首筋にナイフを突きつけられていた。

「おい、相馬を離せ。通り魔め。」

「ここまで来て、捕まるわけにはいかねぇんだよ。」

「そんなくだらねぇ事いつまで言ってられんだろうな。」

その瞬間、市街地にサイレンの音が響き渡っているのがわかった。

「っ……くそ。」

男は南を突き飛ばし、どこかへ走っていった。

「大丈夫か相馬!」

翔はすぐさま南の元へ駆け寄ったが、南は気絶していて返事は無かった。

~次の日~

「っ……あれ家?」

「南起きたのね。」

「お母さん……私夜中でかけて……。」

「知ってる。隣の家の男の子が南をおんぶして来たから、全部聞いたよ。怖かったね。」

「えっ……神居さんが……?」

「後でお礼言ってきなさいねー。」