夢を見た。

私は小さい猫になって公園を駆け回っている。

すると遠くから声が聞こえた。

「選ばれし猫人間一族……猫に姿を変えることが出来る……」

猫一族?
どうやら声の主はファンタジー小説でも書こうとしているらしい。

「……猫人間一族の末裔……えみり……」

ファンタジー小説の主人公、私と同じ名前なんだ。

それにしても、猫一族ってどこかで聞いたことのある名前だ。

「しかし……__で…____なため…」

あれ、だんだん聞こえなくなってきた。

なんだかもっとそのファンタジー小説のネタを聞きたかったような気がする。

そんなことを考えているとまた別の声がした。

一人じゃない。遠くからざわざわと喋り声がする。

一人一人は小さい声だけど、たくさん人がいるのでとても大きなざわめき。

いつのまにか、景色は公園から暗闇になっていた。

そしてだんだん明るくなって……