この戦いは、お馴染みになっていた。

拳を前に出す時はジャンケンの合図。

毎回負けている私は悔しくて頭からジャンケンの件を

もみ消すことにしている。


自分が毎回グーを出しているとも気付かずに…。


「今日の罰ゲームはなんでしょうか…。」

恐る恐る聞いてみる。

「そりゃもちろんジュースのパシリでしょ(笑)」

麻有が笑いながら答える。

その横で紗奈も全力スマイルだった。

その眩しすぎる笑顔、反則ーー。



こんな感じに麻有と紗奈にいじられながらの日々は

ある意味リア充だった。


楽しかった。




苦しいことなんてなかった。



そんな私の人生を大きく左右する人と巡り会うなんて


この時の私はまだ知らなかった。