「オレのこと忘れないでくれる?」




「あ、ごめんごめん。いちじく紹介するな!ここで仲良くなった桜華だ。」




「君がいちじくちゃん?よろしく」





「はぁ……。」




あのときはまだ6歳だったから分からなかったけど今になって考えればおかしな話だ……。





だってあの時、月光という世界は大きなシールドが張ってあったはず。




シールドは月以外誰1人として入れないはずだから。





桜華っていったい何者なのかしら?






「はぁ……。結構疲れたぞ。強敵だな。」




「そーだな」




「月?!また無茶して!怪我は??」



「大丈夫だよ。こんなことでへこたれてたらお前を守ることもできない。」



「そうね……」





「いちじくちゃん?だよね10年ぶり元気にしてた??」




「うん」




「なんか2人とも元気ないな。何かあったのか??」




「そのことなんだけど、最近月光祭があったんだよ。」



「えっ?!もう、そんな時期か……」




「私たちこの世界に迷い込んだみたいなの……」





私たちは桜華にこれまでのことを全て話した。儀式のことも。




「儀式をやることで月光と少しの間だけ通信することができるんだ。でもそれをするには巫女であるものが真珠の涙を捧げなければならない。」




「じゃあ私たちはその通信でこの世界に来ちゃったのね。」




「あぁ。その通りだ。」




「どうしたら帰れる?」




「さぁね。オレも知らないよロイヤル城に行って確かめた方がいいと思うけど?」




「そう……。ありがとう」




「いいよー!いちじくちゃんならオレに頼ってくれていいからね〜♡」




「態度が違いすぎる……」




「月じゃなくてオレと一緒に行くか?」




「はぁ?お前何言ってるんだよ?!」





なんか2人が言い合ってる……
「ありがとう。でもごめんね桜華。私は月がいいの。」




「そっか。じゃまたね」




「うん。また」





桜華は私たちの前から姿を消した。