「月!お兄ちゃん!私たちも帰ろっか!」
「あぁ。」
「月ちょっといいか?」
「はい」
どうしたんだろう?
「俺がいない間いちじくを守ってくれてありがとうな。」
「いえオレもいちじくには助けられちゃったし……」
「そうかそうか!これからも一生あいつを守ってやってくれ。」
「えっ?!?!?!」
「向こうに帰ったら月もいちじくと一緒に大きな舞台にたつんだ。」
「舞台??」
兄さんは少しだけさみしそうな顔をして笑った。
舞台って、なんだ?
その答えは帰れば分かるよな……?
「はじめるよーっっ!」
私は天に真珠の涙を捧げた。
「月どうしたの?」
「オレが絶対守ってみせるから」
「ありがとう」
それはこの先ずーっとってこと?
月はやっぱり特別だよ。
小さい頃からずっと一緒にいたんだもん。
あれから帰った世界で私は大きな舞台に立った。
「いちじくーっ!おめでとう」
「ありがとう」
椿は着物を着て私たちをもてなしてくれた。
皆涙ながらにメッセージを贈ってくれた。
私はこの人の、隣でずっと笑っていられるよね?
そんなに心配しなくて大丈夫だよ……
こんな思いがずっと続くと思う。
だって私の隣がずっと月なんだから。