「この女子社員がATMを募集していることと、会長のお悩みと、そして我々との間に、いったいなんの関係が?」
「おいタイガ、話はちゃんと聞かんか。このお嬢さんはべつに銀行を探しているわけではなく、結婚相手を……」
「聞いていますよ。結婚相手――文句も言わずに金だけはどんどん出してくれる男を探しているっていう話でしょう? お見合いパーティなんて言えば聞こえはいいが、要は、質のいいサイフを見極めようというハイエナ女の集まりじゃないですか。そして、サイフとして役に立たなくなったらすぐにポイだ。そんなハイエナ女から逃げることができた相手の男は、幸運でしたね」
「タイガ、おい、それは……」
嫌味ったらしいタイガの言葉に、惣右介は眉をひそめる。
あくまでも噂だが、タイガは、学生時代から付き合っていた彼女に、多忙を原因に浮気され、それ以来女性不信に陥っているとの話だった。
しかし――
「失礼ねっ!」
しかし、だからといって、言っていいことと悪いことがある。ましてや本人を目の前に、だ。
ヒナは思わずかっとなって声をあげた。
「たしかに世の中にはそういう女の人もいるみたいだけど、だいたいの子は違うんだから! 生涯支え合えるような素敵な旦那さまに出会って、死ぬまで添い遂げたいと思っているの! そんな相手を一生懸命探しているだけなのに、その努力を、知りもしないのに笑わないでよ!」
鬼の事業部長、と異名をとるタイガが、ヒナの剣幕に、あっけにとられる。
いっぽう惣右介は、大笑いした。
「そうそう、そういうことじゃよ。ワシはヒナちゃんのそういうところが気に入ったんじゃ。それでな……」
「……なるほど、ね。わかりマシタ」
腕時計をチラチラ気にしながら、ロバートが左手をあげた。
「おいタイガ、話はちゃんと聞かんか。このお嬢さんはべつに銀行を探しているわけではなく、結婚相手を……」
「聞いていますよ。結婚相手――文句も言わずに金だけはどんどん出してくれる男を探しているっていう話でしょう? お見合いパーティなんて言えば聞こえはいいが、要は、質のいいサイフを見極めようというハイエナ女の集まりじゃないですか。そして、サイフとして役に立たなくなったらすぐにポイだ。そんなハイエナ女から逃げることができた相手の男は、幸運でしたね」
「タイガ、おい、それは……」
嫌味ったらしいタイガの言葉に、惣右介は眉をひそめる。
あくまでも噂だが、タイガは、学生時代から付き合っていた彼女に、多忙を原因に浮気され、それ以来女性不信に陥っているとの話だった。
しかし――
「失礼ねっ!」
しかし、だからといって、言っていいことと悪いことがある。ましてや本人を目の前に、だ。
ヒナは思わずかっとなって声をあげた。
「たしかに世の中にはそういう女の人もいるみたいだけど、だいたいの子は違うんだから! 生涯支え合えるような素敵な旦那さまに出会って、死ぬまで添い遂げたいと思っているの! そんな相手を一生懸命探しているだけなのに、その努力を、知りもしないのに笑わないでよ!」
鬼の事業部長、と異名をとるタイガが、ヒナの剣幕に、あっけにとられる。
いっぽう惣右介は、大笑いした。
「そうそう、そういうことじゃよ。ワシはヒナちゃんのそういうところが気に入ったんじゃ。それでな……」
「……なるほど、ね。わかりマシタ」
腕時計をチラチラ気にしながら、ロバートが左手をあげた。
