「ヒナちゃん、どうしてなどと他人行儀なことを言ってくれるな。メール送ったじゃろ?」

この場の支配者である、タカミ財閥の長、タカミ商事会長の高見惣右介が、ニコニコ笑顔をヒナに向ける。

「メールって……これですか?」

ヒナはスマホを開き、惣右介から受け取ったメールを確認する。


『ヒナちゃん、今すぐ会長室へおいで。ヒナちゃんの悩みとワシの悩みを一気に解決する明暗が思い浮かんだんじゃよ!』


「私の、悩み……?」