「…あれ?寝てたんだぁ。うぅん」
木によし掛かり背伸びをした。
「こんな森の中…誰も来ないよね……」
と、少しいじけながら空を見ると、雨が上がり虹が掛かっていた。
「虹だぁ!!」
「……そんなに虹が珍しいかい?」
「え……?」
右を見ると薪を持った1人の青年がいた。
「ああ、ごめんごめん。急に話し掛けちゃって」
「ううん。いいよ別に」
「そうか?……にしてもどうしてこんな所にいるんだ?」
「ちょっとね……お姉ちゃんとはぐれて…今居場所がないんだ……」
「なあ、少しの間俺が経営している孤児院に来ないかい?俺が経営している孤児院は親から見放された子や親に酷い暴力を受けたり様々な子達がいるんだ。…どうかな?」
「居場所がないから、お兄さんがそう言ってくれるなら……」
「おお!あ、すまない。名前を言ってなかったな。俺はスレーア・ジュカイント。キミは?」
「私は、ミリア!ミリア・ルーン」
「ミリアか…頼むな」
「うん!」
「孤児院はこっちだ。森を抜けたすぐそこさ。付いてきな」
と、スレーアの後をついて歩いた。