RE. sEcrEt lovEr

あれから3ヶ月が経ち、気がつけば季節も冬を迎えようとしていた。

甲ちゃんがいないこと以外は、いつもの生活にすっかり戻っていた。

「…ヴッ!お前、何か俺に恨みでもあんのか?」

「恨みしかないわよね~」

すごい勢いでむせる貴にクスクス笑いながら、話の腰を折る悠耶さん。

「コーヒーに何入れたんだよ?!」

「今日大事な日って言ってたでしょ?だからシナモンを隠し味で」

「隠しきれてねーよ?! 身体に毒だわっ!」

折角、目覚めを良くしてあげようと思ったのにな。

「それで何であたしも付き合わなきゃいけないの?英語無理だし有名な人なら日本にだって」

急に日向家親子が慌ただしくなったのは、ちょうど1週間くらい前のこと。

何でもパパさんの仲良しのモデルさんが来日するらしい。

貴もアメリカにいる間、家族付き合いをしていたから(本人に記憶はないが)迎えに行きがてら会うことになったとか。

「晩御飯作らないつもりでいるからな。帰っても一食抜きだぞ?」

…緊張でどうせ、何も喉を通らないよ