嘘、嘘、嘘!
貴だけじゃなくて甲ちゃんまで!?
病院内で“日向先生”と一番近いはずのあたしは聞いてない!
これも甲ちゃんにしてみればヘルプ要請と同じくらい大したことじゃないのかな。
それともいつもの如く「話してなかったっけ?」と普通に流されちゃうケース?
断片的に耳にしたあの会話はとてつもない破壊力を発揮し、元気に脈打つ心臓とは反比例に 心には風穴をぽっかり開けていた。
どこに向かうわけでもなく、暫くトボトボ歩いていると
珍しく私服姿の彼を見つける。
エレベーターではなく、非常階段があるであろう扉の向こうに消えていく彼を重たい身体とまだまだ不馴れな足で追う。
が、相手は健康体のドクター。軽快な足取りで降りていく彼とはワンフロア分差がついてしまう。
この際、上から彼に向かって大声で叫んでみようか。
そう思った時、下から上がってきたと思われる女の人と話している声が反響して聞こえてきた。
何を話しているかはっきりとは聞こえないし、階段の隙間からじゃよく見えないけど白い服だから看護師さん?
「…日向先生、付き合ってくださいよ」
タイミングが悪すぎる。
よりによって何で聞きたくはない台詞だけはっきり聞こえてしまうのだろう。
貴だけじゃなくて甲ちゃんまで!?
病院内で“日向先生”と一番近いはずのあたしは聞いてない!
これも甲ちゃんにしてみればヘルプ要請と同じくらい大したことじゃないのかな。
それともいつもの如く「話してなかったっけ?」と普通に流されちゃうケース?
断片的に耳にしたあの会話はとてつもない破壊力を発揮し、元気に脈打つ心臓とは反比例に 心には風穴をぽっかり開けていた。
どこに向かうわけでもなく、暫くトボトボ歩いていると
珍しく私服姿の彼を見つける。
エレベーターではなく、非常階段があるであろう扉の向こうに消えていく彼を重たい身体とまだまだ不馴れな足で追う。
が、相手は健康体のドクター。軽快な足取りで降りていく彼とはワンフロア分差がついてしまう。
この際、上から彼に向かって大声で叫んでみようか。
そう思った時、下から上がってきたと思われる女の人と話している声が反響して聞こえてきた。
何を話しているかはっきりとは聞こえないし、階段の隙間からじゃよく見えないけど白い服だから看護師さん?
「…日向先生、付き合ってくださいよ」
タイミングが悪すぎる。
よりによって何で聞きたくはない台詞だけはっきり聞こえてしまうのだろう。

