RE. sEcrEt lovEr

部屋に戻されるや否や、手術創を確認される。

もちろん あたしは目を瞑ったまま。

「さすが俺。傷口もキレイだわー。見てみる?」

「まだいい」

まだっていつなら見るんだよ?と苦笑する甲ちゃん。

そういえば、と引き出しに入れてあった封筒を差し出す。

「貴が昨日来ててね、甲ちゃんにって」

「あいつ、兄弟で文通でも… !!」

手紙を目にした途端、表情が険しくなっていく。

「アメリカからなんでしょ?彼女さんとか?」

難しい顔をしながら目を通す彼に そうではあって欲しくないとわざと明るく聞いてみる。

「うん、前のね」

また不意打ちの“ズキン”

何動揺してるの? だったら攻めなきゃいいじゃない、自分っ!

恋愛の答え合わせ程、怖いものはないけれど「今の俺にはここが居場所だ」なんて

言ってくれないかなぁと心の奥底で身勝手な願掛けをしてみる。

「どんな ヒト…?」

「ん~… 大切な人の片割れ」

予想外のその回答に一瞬固まってしまうあたし。

…え? つまり 双子を攻略したってわけ!? まさか二股!?

ハードルが高すぎる!